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 私が歯医者になった頃(昭和57年)は、虫歯の洪水と言われていました。
特に学童期の虫歯が多く、虫歯が原因の不正歯列も多く、社会問題となり、とにかく虫歯の治療を優先する時代でした。
 そのため、保護者の方のリクエストも、スピード優先で、とにかく早く治して欲しい、と、良く言われたものです。
 ところが、歯科医師、保健所、学校などが振るって啓蒙活動を行い、また、少子化も伴い、現在は学童期の虫歯は激減し、それに伴い保護者の方のリクエストも、治療よりも予防、スピードより内容と変化してまいりました。

 私も、ごく初期の虫歯はブラッシング指導だけで経過を見ております。
保護者の中には、削って詰めた方が安心と思われる方もいるようですが、健康な歯が虫歯になった、という事は、詰め物をした歯はもっと虫歯になりやすい、という事です。
言い換えれば、虫歯になった歯でもブラッシングが良ければ、それ以上、虫歯は進まず、ブラッシングが悪ければ、いかに精密に詰めようとも、新たな虫歯が発生する、と、言うことです。

 現在、お子さんのお口の環境は、とても良くなりました。
昔、泣く子を押さえつけ、歯を削った事が嘘のようです。
そのような、緊急性を有する子供の虫歯が無くなったのです。

と、言っても、乳歯の虫歯は進行しやすいので、日頃から保護者の方が気をつけて見てあげて、定期健診も受けて下さいね。
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